†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


声が出なくて、フルフル首を振る私に

颯斗さんは優しく、頭を撫でた。




「冬夜。君の力のこと、知ってるよ。」

「っ、今なんて・・・」

「君の力を目にした夜、冬夜から聞いたんだ。もしかしたら、蜜瑠の一族の生き残りかもしれないって思ったんだけど・・・違う?」

「ごめんなさい。私、小さい頃の記憶が無くて・・・」

「そっか、残念。」




颯斗さんは、いつものように笑っていた。

もしかしたら、今でもあの襲撃の真相を探っているのかもしれない。



10年前といえば、私があの暗闇の部屋から救い出された頃だ。

何故、あの部屋に入っていたのか

今では、あの部屋がどこにあったのかも思い出せない。


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