本物の愛をちょうだい。
怖くて、店を飛び出した。


オーナー、軽蔑しただろうな。



幼稚園、小学校と
周りには誰一人友達なんて居なかった。


訳はわからなかったけど、親たちが近づくなって
言ってた。


近所の大人たちからの
目も冷たかった。



中学校、この頃にはもう
一人なんて平気だった。

初めて自分が愛人の子だと知った時も、ショックも怒りも浮かばなかった。


ただ、落ちるとこまで落ちようと思った。


だってアタシは汚れてるから。


生ぬるい環境が嫌いだった。



だけど…



この居場所を知ってしまったから…


仲間を知ったから。



好きということ、
恋を知ってしまったから…


怖い。



自分が嫌い。




まさか、オーナーと仲がいいヒヨリと血が繋がってるなんて…


柴崎グループの社長が
アタシの本当の父親…



わからない


何がなんだかアタシにはわからないよ。




< 103 / 283 >

この作品をシェア

pagetop