本物の愛をちょうだい。
「じゃ、撮影始めるよ~。まずは、ふたりくっついて~」

ヤバイ…

ダメだ。


カメラ向けられると笑えない。


「美亜ちゃん~顔固いな。プライベートだと思って~」


カメラマンがそう言うけど…


緊張がヤバイ。


「美亜、カメラをオーナーさんだと思って!」


「カメラを雪夜?」


マヒロが耳元でそう言った。


カメラが雪夜…


「ダメーッッ!照れる…//」


「その表情!イイッッ!」


パシャっとフラッシュが
光る。


「えーッッ!今撮った!?」

「美亜ちゃんの乙女な表情いただきましたーッッ!」


マジかよ~


「ちょっとリラックスできたんじゃん?」


「まあ…」


「ほら、美亜じゃんじゃんいくよ~」


マヒロ…プロだ。


いつもとは別人。


カメラマンの要望に
淡々と答える。


マヒロの笑顔はとても眩しく見える。


そのお陰でアタシも
緊張感が抜けた。



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