本物の愛をちょうだい。

電話で話していた
ビルの地下に行くと
隆二が素手にカウンターにいた。


「晴樹さーん！！
久しぶりっすねーｯｯ！」


「隆二、また随分落ち着いたな…」


明るい性格は変わってないが…

見た目がかなり落ち着いた気がする。


去年、隆二に会った時は
金髪でさらにオールバックのかなり柄が悪かった。


けど、今じゃ真っ黒の髪色で服装もオラオラじゃなく爽やかな服。


「今日は晴樹さんに
報告があって来たんすよ。」


「そうか。
ま、とりあえず乾杯しよう。」


ビールで乾杯し、
一気に流し込む。


とりあえずアルコールの力を借りたい。



「で、報告って？」


「俺さ、結婚するんす！」

「結婚だあ！？
お前がか？」


一に女、二に女の隆二が
結婚…


カルチャーショック…


隆二にだけは先に越されねえと思っていたのに…


「俺、去年くらいから
マジな女ができたんすよ。んで、彼女の腹ん中に今
赤ん坊がいるんす！」


「ち、父親になるのか！？お前が…」


「はい！
マジな女の腹に俺の子が出来たら父親になるしかないって思って！
俺、仕事も真面目な仕事にしました！」


隆二は、ずっと
クラブでバイトをしていた。

「今は何してるんだ？」


「今は真面目に工事現場で働いてます！
父親になるからには
安心できる仕事のがいいかなって！」