本物の愛をちょうだい。
更衣室で、水着になると…

「キミひとり?」

でた…
ナンパだ。

見るからに、チャラい。

今はそれどころじゃないっつーの。

「ひとりじゃないから。」

「え、彼氏とか?」


「バイト仲間。」


「へえ。
てか、俺数人と来てるんだけどあっち行かね?
絶対楽しいよ~」


「行かない。
てゅかしつこい。」


「は?なんだこの女…」


男は、キレたのかアタシの手首を掴んだ。


はあ…


こうなるとだるい。


ナンパされても気分じゃないっつーの。


「おいおーい!!
そこの若い男~」


あ…ナンパ中だったはずの龍だ。


「なんだよお前…」


「女に乱暴は良くないんじゃない?」


「なんだと?テメエ…」


なんか…ヤバイ雰囲気なんだけど…


「だから~その子俺んのだから離してくんないかな~。」


ヴッッ…


龍がぎゅう~っと抱きついてきた。


『美亜ちん、演技して』

と耳打ち…。



演技って…
彼女のふりをしろと?



「美亜ちん~ダメじゃん。変なやつにひっかかったら~」

ぎゅうッッ

う゛~また抱きしめられた。

苦しいんだっつの…


「ご…ごめん。」



「ッッチッッ…」


男は舌打ちをして去っていった。



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