本物の愛をちょうだい。
……。


……………。


…………………。



ぼんやりと広がる視界。




白い…天井?

鼻にツンとくる薬品の匂い。



そして目の前に…


「オーナー!!」


「おい…まだ起き上がんな。」


「アタシ死んだんじゃないの?」


「バカたれ。
疲れと栄養不足だってよ…」


「なんだ、病気じゃないのか。」


「あぁ。
海ではしゃぎすぎたのかもな。」


「オーナーが無理矢理連れ出すから。」


「栄養不足は完全に美亜が悪い。
ちゃんと食わねえからだ。」


「いふぁい…」


ぶにっと顔をつねられた。


「ったく…
心配かけんじゃねえよ。」

「心配したの?」


「当たり前だろうが!
美亜が居なくなると思った…マジで…」


え…



「…ふっ…」


「何笑ってんだよ…」


「初めてだから。
心配とかされたの。」


「心配するわ!!
バカ美亜。」


オーナーが心配してくれた。


ドキドキ…


「う…」

「何だよ、どっか痛いんか?」

やっぱり心臓がドキドキする。


病気じゃなけりゃ何?



「な…何でもない//」


心臓もうるさいし、
顔がカアッと暑い。



「点滴終わったら、帰れるから。
それまで、大人しくしてろよ。」


「オーナー帰らないの?」


「そんな状態でも美亜は、逃げそうだからな。」


「……。」


はい、逃げます。

だって点滴嫌いだし。





< 57 / 283 >

この作品をシェア

pagetop