本物の愛をちょうだい。
美亜side



アタシが…



このアタシが恋…を…した?



オーナーが好きなの…?



好きになっちゃったか…




「はあ…。」


「なーに溜め息してんだ?」


「わ…わ…わ…オーナー!!何でまた勝手に家に居るの!!」



「驚きすぎ…。
つか何でじゃねーよ。
バカたれ!!
バイトのシフト時間とっくに過ぎてるんですが~」



マジ!?


時計を見たら、20時30分。


アタシのシフト時間。

今日はオープンからだから…

1時間の遅刻…


「ヤベエッッ…」


「なんか悩み事か?」


「べ…別に?」


「本当に?」

顔をぐいっとアタシに寄せてくるオーナー。


「う…」


ヤバい…
心臓のドキドキ半端ない。


「体調悪いか?」


「大丈夫…
大丈夫だから今すぐ離れて。」


やっぱり…好きなのか。



「顔赤い。熱か?」


ちげえよ…
アンタが顔近いからだっつの。


オーナーの鼻がアタシの鼻とくっつきそう…


「美亜?」


「あーもう!!
オーナー顔近すぎる。
従業員にキスする気?」


「………ッッ。」


え…変なこと言っちゃった。


「………。」


「わ…わ…悪いな。
顔近かったな。アハハハハ~」


何この慌て用。


つかオーナー耳真っ赤だし。


どうした!?



「み、美亜。」


「はい?」


「早く支度して来い!
さもないとキスマジでするからな!」


早口で言ってオーナーは慌てて出て行った。


いい逃げ…


オーナーにキス…されたら…


ってアタシは何妄想してんだよ!!


キモイ…


自分キモイから!!




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