本物の愛をちょうだい。
そして…

店が騒がしくなった。


「主役のお出ましね。
生意気娘、迎えに行ってやりなさい!」


「っわあッッ!」


ドンッッと翼に体を押され、いつの間にか人だかりの前にいた。


「あ?美亜!?」


「お…オーナー。ども~」

へへと笑ったら、またあの切ない顔をした。


「セーラー似合うな。」


それは誰に向かって言ってるの…


いつものオーナーじゃない…


「……そ。」


それしか言えなかった。

オーナーの制服姿かっこいいよ。


なんて言えない。


だってアタシを誰かと重ねて見てるみたいだから。



「さーさー主役はこっちだよ。」


「晴樹さん。」


「美亜ちゃん可愛いね。」


全部胸が痛い。

なんか嫌だ。



< 86 / 283 >

この作品をシェア

pagetop