くつ下

中1%夏

中学校というのは,ホントに慌しくて時が過ぎるのが早い。
あっという間に初めての中総体になってしまっていた。

あたしはバレ-ボ-ル部に所属していた。
あたしの通っていた中学校は,部活が盛んで,県大会へ勝ち進む部が多く,
バレ-部もその中のひとつだった。
結果的に,区では準優勝で県大会には勝ち進んだものの,惜しくも負けてしまった。
そんなわたしたちは,野球部の全校応援へとまわった。

野球部といえば,拓哉先輩だ。
拓哉先輩は,生徒会長をしているだけでなく,野球部の部長もしていた。
だからあたしは必死に応援した。
少しでも届いてほしくて,いっぱいいっぱい届いてほしくて,とにかく声を出し続けた。
結果は延長にもつれ込んだ中での負け…
あたしは初めて男の人が泣いたのを見て,とても感動させられた。

帰り道,あたしは方面が同じのコたちと歩いて帰った。
みんなの笑い声だけが頭にこだまして,わけのわからなくなったあたしは「用事を思い出した」とみんなに告げ,一人で帰ろうとしていた。
すると,「何やってんの?」とでも言いたげな顔をして浩が後ろに立っていた。
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