雪解けの水に潜む、紅
見つけ、終わらせ
それが再開されたのは、二ヶ月も経った後だった。
「我々は勝利を確信していた。あの山に住むというあいつらを丸め込むことが出来たとき、我々の勝敗は決まったも同然だった。しかし、我々はあいつらを見くびり過ぎていたようだ。」
そこから先は黒こげて読めなかった。だけど、私には見覚えがあった。
この紙の焼け方も、あいつらという単語も、見くびるような力を隠すことが出来る生き物。
わたしは知っていた。皆、よく知っているはずだ。
ドラゴンはこの国を滅ぼした。
ドラゴンで力を得ようとした哀れな奴隷たちは。
ドラゴンによってその命を絶たれた。
「この国の王のことは、よく判ったけれど。」