雪解けの水に潜む、紅
地響きにプラスして大砲のような音。いやでも状況を理解しざるを得なかった。
項垂れるように首を傾けた状態で穴の外を見やると、山の頂上が見えた。
アリタス山の山頂に濃い霧のような・・・違う、あれは龍の群れだ。
帰ってきたのか、それともまだこれから行こうというのか、無数のドラゴンたちは暗雲の
ように羽ばたいている。
やがて、空は闇に覆われた。
遥か遠くに瞬く星々の美しさを感じた。
痛みからか、感動からか、私の頬には溢れんばかりの涙が伝う。
闇夜の中でも、外が血の海と化していることは判ってしまった。
鮮血が瓦礫のあちこちに飛び散っていた。
「酷いものだ。」
「ディモン、ド・・・。」