雪解けの水に潜む、紅
「痛いか、痛いよな。すまない。オレにはお前を助けてやる力が無い。」
「だが、オレが・・・もし死んだら、満月の夜。ソコのマグマは満月の夜だけ消える。満月が出ている間だけ。マグマの中に卵がある。オレの子だ。竜王の子は親を見るとすぐ成長する。お前の顔を見れば、飛べるようになるだろう。お前は、逃げろ。」
そういってディルモンドはまた眠ってしまった。
彼の子は私を認めてくれるだろうか。
憎しみを持ち、悲しみにくれ、このような姿になった私を。
それは今、誰にも判らない。
運命とは正に神のみぞ知る世界であるのだ。
今、私に判ること。それは、たとえ殺されようとも私は決して逃げはしない、と言うことだ。
背は向けない。絶対、向けるもんか。