雪解けの水に潜む、紅
彼の、死


直接頭に木霊したディモンドの言葉に一瞬手が止まりそうになった。
それを彼は望まないから、震える体を必死に動かして彼の言葉に耳を傾ける。


『オレは、お前に使命を与えた。哀れな王に、仕えるように仕向けてしまった。力を求める為のティアラをお前は見つけなくていい。逃げてくれ。幸せになってくれ。』


『人の心は、揺れ動く。時には憎しみも抱く。だけど、憎しみを堪える強さを君は知っている。憎しみが生み出す悲しみに君は気付いている。シルビアは、オレの子どもだ。ずっと傍に居てくれた。許してくれ、オレは・・・また君から家族を奪ってしまった。』


母さまは、ディモンドの子どもたちに。

ジュディの彼女もディモンドの子どもに殺され、
私は残った家族に恨まれ、恨むことになった。


だけど、だけど、ディモンドや子どもたちを恨んだことはないのよ。


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