雪解けの水に潜む、紅




DDの体がまだ小さいおかげで、あの穴から外に出られそう。

「DD、大丈夫?」

「・・・君の名前、教えて。僕に。」

「もう喋れるのね?私はシルビア。よろしく。」


手を差し出すと右前足で返してくれた。


「シルビア、待って。どこへ?」
DDの体が成長を迎えようとしている。


私は慌てて傍に転がっていた岩を足場に穴を這いずり上がった。
凍えてしまうような寒さが皮膚を切る。




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