雪解けの水に潜む、紅



でもこれで多くの人の目を一部に向けることが出来た。
行動はずっと容易くなるはずだ。

「注意してあの瓦礫の向こうに行きましょう?」
崩れた部分を一箇所に纏めているらしい。
ちょっとした小山になっているところを指差す。
迂回するような場所はないから瓦礫をよじ登った方が的確だろう。
ただ、山の背が高いので兵士たちに見つかる可能性も高くなる。


「どうか、見つかりませんように。」
恐らく彼らもこの山を越しているのだろう。
人の足によって踏みしめられた跡がくっきりと残っている。
DDは一足先にすたこらさっさと行ってしまった。
私もそれに続き山を登っていた。




< 65 / 121 >

この作品をシェア

pagetop