雪解けの水に潜む、紅
「今度はこれを登るの?」
命綱さえないこの場所を一体どうやって回避すればいいのやら。
DDは初めて私の後ろにつくと言ってきた。
落ちてきたとき、受け止められるからだ。という理由に思わず納得する。
だけど此処まで垂直な壁。いくらDDでも落ちてしまうのではないだろうか。
「オレは落ちても翼がある。空中で飛ぶことなんてお手の物だ。」
つまり、たとえ落ちても自分は助かる。と?
まあいいや。DDが無事ならきっと私も無事でしょう。
楽観的なことを考えて飛び出ていた岩を掴む。
「うっそ。」