雪解けの水に潜む、紅
ボロっという音を立てて掌ほどの岩が崩れてしまった。
足元に落ちてくる、小石が岩の脆さを教えてくれる。
「これは・・・。危険だな。」
危険すぎる。先ほどの岩場の非にならない。
いくらなんでも厳しすぎる、この難関。
だけどここを越えないとティアラは手に入らない。
取り敢えず登ってみることにした。
掴んだ瞬間からコロコロと転がりだす足場に若干の不安が募るも動かす手は止めない。
寧ろ止めてしまったら、真っ逆さまに落ちると思う。
この岩たちは、数十秒間私の体重に耐えられないだろう。
DDはというと何故だかとても小さくなって、まるでトカゲ並になってしまっている。