雪解けの水に潜む、紅
「じゃあこっちに気が付かないかな?」
「気付くだろ。」
そんな時、前線に向かおうとする兵士たちを見つけた。
「ジュディ。」
「あ?アイツも行くのか。」
人の命は儚い。
私は、兵士が皆出払ってから茂みの外に飛び出した。
「な、女?」
「奴隷か?」
「敵国のマークを持っているぞ!」
肩が剥き出しの所為で、焼き付けられた印が丸見えだ。
「痛そうに・・・。」
「可哀想。あんなに若いのに。」
「アルベセシア王国の、軍隊・・・。」
「何故それを知っている。」
「私は、元々アルベセシアの出身だから。」
私の言葉にそこにいた人たちの動きが止まる。