また明日…また明日…
私は、保健室で上の空だった。
ガラガラと扉が開く音で我に返った。
「 サエ、どうしたの~? 」
担任の青木が私の顔を覗き込んで聞いてきた。
「 私ね、今遠距離してんのぉ。まだ、会った事ないんだけどね?サイトで知り合った人と付き合ってんの。今、すっごい会いたいなぁ~ってね。 」
私は前にも担任に、友達の事で相談していた。
だから、私は担任を信用して言った。
軽い返事が返ってくると思ってた。
でも、担任はマジになってた。
「 はぁ?!サイト?!バカじゃないの?!サイトの事件だって少なくないんだよ?!その人と会ったりしたら、私が許さないから!その事、親は知ってんの?! 」
「 知らない。」
敬介を犯罪者のように言う担任が憎くてたまらなかった。
あんたに敬介の何が分かんの?
あんたは敬介の何をしってんの?
何で会っちゃいけないの?
何であんたに言われなきゃいけないの?
何で親にいちいち言わなくちゃいけないの?
私の反論が頭を駆け巡る。
止まらない。
もし、私を心から心配して言っていたとしても
私にはおせっかいでしかなかった。
担任なんてしょせん他人。
私の恋愛事情に首を突っ込める権利なんかない。
何をいわれようが、
何をされようが、
私の気持ちは変わらない。
だって、敬介は今までの男とは違うから。
心から運命と思えたのは
敬介が初めてだから。
「 何も分かってないくせに。もういいです。さようなら。 」
「 あ、ちょ、サエ!待ちな! 」
私は勢いよく扉を閉めた。
怒りで、足に力が入り、速歩きになってしまう。
教室に戻ると、舞が心配そうに近づいてきた。
「 …サエ…?大丈夫…? 」
「 …うん。」
他に言葉を発したら、
舞にこの怒りをぶつけてしまいそうで、
素っ気ない返事しかする事が出来なかった。
舞に後で謝んないと…
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。