あなたのキスで世界は変わる


私と妹の間にある変な空気に気がついたのか佑夜が気を使って帰って行った。


小さく溜め息を吐いて妹に向き合う。


「久しぶり、お姉ちゃん」

「なにしに来たの?」


真未の言葉に間合いを刺さずに言う。


…冷たくあしらえば、真未はこうして悲しそうな顔をする。

そして私をいつも悪者にする。


「お母さんが…倒れたの…」


お母さん…

あんたいつから由紀子さんのことをお母さんって呼ぶようになったの?


「知ってる」

「え?」

「大樹が教えてくれた」


そう言うと真未は「そっか…」ってうつむいてみせた。


あームカつく。

なにしに来たのよ。


私に由紀子さんが倒れたこと言ってどうしたかったの?

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