あなたのキスで世界は変わる
『真未ちゃんまた100点?すごいねっ』
『えへへ』
リビングの扉の前、85点のテストをぐしゃぐしゃにした。
『由紀子さん、プレゼント!』
『え?』
『今日は母の日でしょ!』
真未が渡したハートのキーホルダーを見て、用意していた手作りの不恰好なお守りも捨てた。
真未はすべて私の先を行く。
だから私は向き合うのをやめた。
由紀子さん達も私を家族とは思ってないみたいだし。
だって私が傷ついたことに全く気がつかないんだもんね。
手足の痣も、先輩に無理に脅されて呼び出されて夜がいつも遅かったのに
注意もしないで笑って。
私を見てないんだもん
そりゃ、気づかないよね…