あなたのキスで世界は変わる

ふんわり、体が浮いて…
夜の闇の中に引き込まれそうになる。


このままどこかへ行きたくなる。


…生きることを手放したくなる。


「ふっ、気持ちいいな…」


ふとその時に先生の声。

隣を見ると私と同じことをしている。


先生…?


「元気になった?」

「え?」

「朝から元気なかったからさ」


でも、不安な気持ちは
いつだって先生に消される。


はにかむと先生は砂浜に腰を下ろした。

私も同じように彼の隣に座る。


「小川は弱虫のくせに強がるからなぁ」

「うるさいから」

「そのくせ素直じゃないし」


そんなの、先生もじゃん。
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