あなたのキスで世界は変わる


「そろそろ決着つけたいんだ」

「決着?」

「うん。けじめ、つけるから…」


握る手にチカラが入る。

波の音が少し…遠くなった。


先生の声がいつもよりかすれてて、真剣なんだってわかる。


「そしたら大事な話をしてもいいか?」


先生の言いたいこと、いまいち分からなかったけど。


「うん。待ってる」


なにを待つのか自分でもよく分からなかったけど。


先生が待っててって言ってる気がしたんだ。

だから私は待つよ。


星が輝きを増して、波も穏やかながら力強く波打つ。

そんななか、私たちは静かに口づけを交わした。


あなたが笑ってくれるなら。


< 137 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop