あなたのキスで世界は変わる
……うん。
今度は、なにに
勇気を振り絞っているんだろうか。
「あ、あの!」
「ん?」
「よかったら…よかったらで、いいんだけど……連絡先とか……交換……いえ、なんでもないですぅ!!」
顔をカバンで隠して逃げようとした木村の肩を掴んで止める。
ちょ、ちょっと待った!!
なんでそう逃げようとするかな。
「い、いいよ。連絡先でしょ?交換しよーよ」
私ってそんな怖いかね?
「い、いいんですか⁉」
「うん」
「やったあ!!」
木村の嬉しそうな顔になんだか照れ臭くなる。
そんな大袈裟に喜ばなくても…
「おがわ!」
暑いのか、シャツをパタパタさせながら私を呼んだのは佑夜だった。