あなたのキスで世界は変わる
「せんせ…?」
「ごめん、小川……俺……」
縁日にはしゃぐ子供の声や、女の子達の黄色い声が邪魔でよく聞こえない。
ごめん、先生。
なんて言ったかわからない。
うるさいの。
みんな楽しそうに笑ってるから。
「ごめん、俺…お前のこと…」
時間が何倍も遅く感じる。
なんか聞いたことあるな…
人は命の危険を察知すると時間をスローモーションにするとかなんとか。
「約束…」
その言葉を最後に、通話は途絶えた。
明らかに途中の言葉。
続きを考えるけど、怖くて顔をそむけてしまう。