あなたのキスで世界は変わる
知らない。聞いてない。
でも、それは私があまり学校にいなかったからだけど。
てか…興味ない。
ため息を吐いて窓の外に目線をやると雲の流れを追いかけた。
空を飛べたらいいのに。
そしたらきっとイヤなことなんてなに一つなくて。
幸せな気持ちのまま、穏やかに過ごせるのに。
ーーガララッ。
扉が開く音がすると教室内がざわついた。
「きゃーっ」
「かっこいい!」
小さな悲鳴と、甘いため息。
…なに、そんなにイケメン?
どれどれ…
「…………」
驚いた。
居るんだ、同じ年であんなに大人びたやつ。
かっこよくセットされた黒髪。
細めの二重の目と、高く筋の通った鼻。
ふーん…