あなたのキスで世界は変わる
ーーコンコン。
控え目に鳴らされたノック音。
「可奈子ちゃん、夜ご飯できたから…おりて来て一緒に食べよう?」
…由紀子さんだ。
「今、行きます…」
震える声を抑えて返事をした。
洋服を部屋着に着替えるとゆっくりリビングに向かった。
「わぁ、美味しそう!」
真美が目をキラキラさせて食卓に並ぶ料理を見ている。
私は静かに真未の隣の席に着いた。
三ヶ月前まではいつもの席だったイス。
「ねぇ、お姉ちゃん!これお姉ちゃんの大好物ばかりだと思わない?」
「え…?」