あなたのキスで世界は変わる
キス1*私と先生の関係


至近距離で彼の荒い息づかいが聞こえる。

必死になって私の唇に噛みついて、
私もそれに応えるように彼にしがみついた。


「はっ…ん…」


唇が離れ、熱っぽい瞳が私を捕らえる。


どんなに泣いても、笑っても満たされなかった心に優しさが染みて痛い。


でも、本当の優しさじゃないことを私は知っているから。

それは偽物だから。


惑わされないように。

信じちゃわないように。


クッとこらえて瞳を閉じた。


「こっち見ろよ…っ」

「…やだね…」


かすれたハスキーな声が、暗闇の視界に飛び込んで来た。


絶対に見てやんないし。

< 2 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop