あなたのキスで世界は変わる


「そうなの!?ごめんね、可奈子ちゃんっ」

「って、違うからお母さん。嬉しがってんの、お姉ちゃん」


…真未、うるさい。


でも、心がぐちゃぐちゃで、よくわかんない。

この涙さえ、嬉し涙かよくわからないし。


「可奈子ちゃん」


由紀子さんがおもむろに歩み寄り、手を握って私の目を真っ直ぐ見つめる。


私も彼女の目を見るけど、それがなんだかむず痒いとゆうか、恥ずかしい。


でも、握られた手は温かい。


「明日からは、ここに帰ってきなさい」


昨日から泣いてばっかりだ。

いつからこんなに泣き虫になったの、私。

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