あなたのキスで世界は変わる


「ごめんなさいね…つわりが酷くて…」


つ…わり…?

由紀子さんの苦しそうな笑顔。
私の笑顔も引きつる。


「お母さん妊娠してるの。三ヶ月だから安静にしてないと…」


三ヶ月…?


頭の中がぐるぐる回って、とても冷静では居られない。


え、ちょっと待って。

私が苦しんでいる時に、お父さんと由紀子さんはそんなことしてたの?


妊娠って…あの女と同じじゃん。


「ごめ…私…」


何も言葉が出なくて、いたたまれなくなった私は階段を駆け上がり、自分の部屋へ戻った。


どうしよ…お祝いできない。


てゆうか、最低ーー。

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