あなたのキスで世界は変わる
キス12*どんな綺麗な絵の具も
ジリジリ夏の太陽が肌を焼く。
貧血気味の私には夏のこの暑さは耐えがたい。
長袖にサングラス、そして日傘。
日焼け対策は万全。
「うっはー!海だー!!」
大樹の叫ぶ声も、波の音に混ざる。
海に来た。
大樹と木村と…そして佑夜と、私。
なぜこんなことになったかと言うと。
ーーーーーー…
ーーーー…
『可奈子ちゃん!?どうしたの!?』
突然自分の部屋に帰った私を由紀子さんが追いかけて来た。
呼びかけに返事もせず、私はただ扉に背中を合わせてうずくまっていた。