あなたのキスで世界は変わる


もじもじと私を見ては目をそらして、また私を見たかと思ったらまた目をそらした。


木村、頑張れ。

あんたなら、言える。


「私と小川さんは…友達ですか?」


上目遣いで私に問う木村が可愛く見えた。


…友達…

友達、なのか?私たち。


「わかんない」


咄嗟に出た言葉に木村が肩を落とす。


「でも、私、基本みんなのこと嫌いだけど、あんたのことは嫌いじゃないよ」


うん。

基本、みんな嫌いなんだけど
自分さえ嫌いなのに


木村のことは嫌いじゃない。

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