あなたのキスで世界は変わる
「友達って言葉はなんか薄っぺらくて嫌いだから使いたくないけど」
「うん…っ」
「私、けっこーあんたのこと好き」
夜の夏風はやっぱり生温いけど、私たちの間を通り抜けた風は、いつかあの星のもとへ行くのかな。
今日は月と星がすごく綺麗だ。
隣で号泣する木村の頭をポンと撫でる。
不器用だからこうゆう時どうしたらいいか、わかんない。
だからとりあえずハンカチを差し出すと彼女は「ありがど〜」って更に泣く。
…意味ない。
なんて思いながら歩いていた私の足取りは軽かった。