あなたのキスで世界は変わる
キス14*新学期
夏の暑さがまだ残ってる朝。
久しぶりに制服の袖に腕を通す。
…今日から新学期です。
朝からこの私が、先生の目覚まし無しで学校へ行く日が来るなんて。
でも考えたんだ。
私は、“先生がそばに居た頃の私”に負けたくない。
先生と暮らさなくなったから学校へ行かなくなったとか、先生にも、あの女にも思われたくない。
…先生がいないとダメなんだって思われたくない。
「あ、可奈子!おはよう!」
家を出るとちょうど大樹もタイミングよく出て来たようで。
「おはよ」
挨拶すると、小学生の頃に戻ったみたいに並んで歩きだした。