あなたのキスで世界は変わる
私たちも大樹たちの後を少ししてから追った。
「あ……」
教室から少し歩いたところにある階段で偶然にも鉢合わせたのは、先生だった。
目が不意に合って、呼吸が苦しくなるのが分かる。
佑夜とふたりのところを先生に見られるって……なんか複雑。
「いま帰りか。気をつけて帰れよ」
「はい…」
「ははっ、敬語かよ!」
やだ。なにそのウソみたいな笑顔。
下手くそな、先生の笑顔。
そんな顔見せて、幸せじゃないの?
幸せじゃないって言ったらぶっ飛ばすから。
絶対殴るから。