あなたのキスで世界は変わる



「文化祭たのむわ。盛り上げてよ」


「うん…」


「ん。じゃあな」



私の頭にポンッと手を乗せて、名残り惜しくも去っていく。


その手をつかめたらどんなにいいかな。


って、忘れるって決めたのに。

たった一回会ったぐらいで気持ち揺らいで。


アホか、私は。



「東城。…頼んだわ」


「…言われなくても、わかってます」



階段を降りて行く先生と、いつもより不機嫌そうな佑夜の顔。


先生といる時はいつも不機嫌そうな顔をするよね。


久しぶりに話した…


まだ心臓ドクドク言ってる。


…先生…

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