あなたのキスで世界は変わる
わからないの。幸せになる方法が。
そもそもそんなものあるのかすら…。
たぶん、不器用なんだろうね、私たち。
「げ…最悪」
思わず不機嫌な声が出た。
ここ…屋上は、私の場所なのに。
私がいつも授業をさぼったり、なにかに迷ったりした時、ここでひとりになる場所。
誰も寄りつかないこの場所。
そこで東城佑夜がスヤスヤ眠っている。
朝先生に強引に起こされて無理やり学校に来たから、虫の居場所が悪い。
やっとこの昼休みに一人になれると思ったのに。
「…………」
どけよ。邪魔。さっさと散れ。
心の中でみにくい言葉をたくさん放つけど、彼の寝顔は正反対に美しくて。