あなたのキスで世界は変わる


「…なんで…っ」


「お…がわ…?」


「なんで私の誕生日なんか覚えてんのよ…意味、わかんない…っ」



顔が先生から見えないようにうつむいて、手をギュッと握りしめて。


やだ、泣きたくないのに。

これから佑夜に会いに行くんだよ。


幸せになりに行くのに。



「なんで…?なんで先生は私じゃなくてあの女を選んだの?」



ずっと心に閉まって来た本音という名のオモイが口からこぼれ落ちる。


先生を心の中に浮かべると「なんで?なんで?」ばっかり出てくるの。


なんで私じゃないの?

なんであの女なの?


なんで先生は私をひとりにするの?


ねぇ…ーーーー



「なんで…っ」


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