あなたのキスで世界は変わる



それまで家族の中心にいたお母さんの存在を由紀子さんが消していってるように思ってた。


だから私だけでもお母さんのことを覚えていようって、大事にしようって決めたの。


でも……



「それでも毎日さみしかった。愛されてないってずっと思ってたから…」



涙が溢れる。

我慢していた想いと合わせて。


ぬぐっても、ぬぐっても出てくる。


私も本当は笑い合ってる3人の仲間に入りたいと、思ってたよ。


ひとりぼっちは悲しかった。



「可奈子ちゃん、これ……」



私に差し出して来たのはいつかの85点のテストと手作りの汚いお守り。


どれも由紀子さんへ渡せなくてゴミ箱に捨てていたもの。


なんで…?


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