あなたのキスで世界は変わる



「ゴミ箱で見つけて、しまっておいたの。どれも私の宝物よ」



どうしよう、涙腺が崩壊しちゃう。


そんなぐしゃぐしゃなテストと

不恰好なお守りを…?


見つけて取っておいてくれたの…?



「可奈子ちゃん…ごめんね…」


「私こそ…っ、ごめんなさい…っ」


「もっと早くにこうして話せていたら良かったね」



私の小さなカラダを由紀子さんの大きな心が包み込む。そえられた手が温かい。


ずっと欲しかった家族からの愛情。


やっと、もらえた。

やっと、愛されてるって実感できた。


…お母さん。

私、生きてて良かったよ。



「可奈子、お父さんもごめんな。母さんが死んでひとりでお前たち二人を育てなきゃいけないプレッシャーで潰されそうになった時、支えてくれたのが由紀子なんだ」



ずっと口を閉ざしていたお父さんが口を開く。


< 300 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop