あなたのキスで世界は変わる
お父さん…
「んーもう!いつまで玄関でこんなこと話すつもり?早くリビング行こ!ハンバーグ冷めちゃう!」
真未が重い空気を打破するように、明るい声で私の腕を掴みリビングに引きずって行く。
私の手を引く真未の顔はいつになく笑顔。
もっと早くに素直になっていれば良かった。
こんなステキな家族に囲まれていたのに、気づいていなかった。
時間はかかり過ぎたけど
ようやく本当の家族になれたんだね。
今なら言える。
「由紀子さん…」
「ん?」
「妊娠おめでとう」
遅くなってごめんなさい。
生まれてくるその子も一緒に
みんなで家族になろうね。