あなたのキスで世界は変わる
それでもいいの。
私は死ぬまで先生を想い続けるって決めた。
「あ、可奈子!おはよー。昨日は楽しかったか?」
学校についてすぐ、大樹が待ってましたと言わんばかりにニヤニヤしながらやって来た。
無意識に顔をそむけてしまった自分に気づいてすこしだけ嫌悪感。
そして教室を見て佑夜がいないことに安心してしまったことにも嫌悪感。
「かな…?」
「昨日は…行かなかった…」
私の不自然な行動に気づいたような大樹の声。
でも、これ以上聞かないで…と言わない代わりに大樹の横を素早く通り抜けた。
…死ねばいいのに、自分。
また大樹を遠ざけようとしている。
でも。
孤独に戻っても、私は先生を想う。
何を失ってもいい。
何を犠牲にしても欲しいものなの。
気づいたの。
望んでない恋を叶えようとするより
叶わなくても、孤独になっても、
先生を素直に想っている方が
私の心は、幸せなんだ。