あなたのキスで世界は変わる


熱いふたりの目線が絡まり合う。


一歩一歩、確かに近づく距離に
切なさと愛しさが溢れ出して。


…胸が、いっぱいになっていく…。



「小川…」


「先生」



立ち止まったその距離、5メートル。


触れられない、もどかしい距離。


…泣かない。

先生、私、もう逃げない。



「先生に、言いたいことがあります」


「…はい。聞きましょう」



先生のゆるい茶髪のパーマが揺れる。

私の長い髪とスカートも一緒に。


でも気持ちは揺らがない。



< 319 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop