あなたのキスで世界は変わる
力ずくで彼から離れる。
自分の手を強く握って。
軽く震える自分が本当に情けない。
「誰がお前をそんなにしたんだよ?」
「はあ?」
「だから、誰がお前をそんなに傷つけたんだって聞いてんだよ!」
怒りに満ちた真剣な声に一瞬だけ固まる。
……マジな目で私を見ている。
イラっとする。
なによ…
「なんであんたに話さなきゃいけないのよ」
か弱い女の子を心配している自分がかっこよくて好きなんでしょ。
そうゆうのが一番キライなんだよ。
ちょっと可哀想な獲物見つけたからって近づいて来ないで。
「可奈子…」
「名前で呼ぶな!」