あなたのキスで世界は変わる
もう、うつむいて歩かない。
前しか向かない。
変えたい現実があるなら、ぶつかっていく。
よし!と気合いを入れて学校への道を歩きだした。
「よ、可奈子!」
「おはよーございます!!!」
学校に着くやいなや耳がキーンとなるくらい大きな声をだした木村に「お、おはよ…」とたじろぐ。隣にいた大樹も苦笑い。
今日から新学期。
クラス替えがあるからって、昨日木村が私に電話して来たんだけど。
一方的な弾丸トークに私は終始うなずくだけだった。
ちなみにこの二人、大樹からの告白で無事に恋人同士になれたみたい。
「見てください!!私たち、クラス同じですよ!!」
「ほんとだ。…あれ、でも…」
玄関前に張り出されたクラス表。
私たちの名前があるクラスに、佑夜の名前がなかった。
違うクラスなんだ…
「なんで佑夜だけ…」
大樹も同じクラスなのに。
そんなのって…
「おはよ!なんか離れたみたいだな」
「佑夜!」
今日もばっちりセットされた髪形、爽やかに着崩した制服。
そこには佑夜が笑って立っていた。