あなたのキスで世界は変わる
…やめて。
名前で…呼ばないで…っ。
あいつと同じように誰も私を名前で呼ばないで。
「じゃあ、泣くな」
「……っ」
誰のせいだと思ってんだよ。
お前が私の手を掴んで、一番イヤな記憶を思い出させたからでしょ?
つか…
「泣いてないし」
ほんと、ムカつく。
もうここを出ようと、彼に背を向けて歩き出す。
「東城佑夜!お前なんか大っ嫌いだ!」
扉に手をかけたけど、帰る前に一言文句を言ってやりたくて叫ぶ。
あー、もう本当に大嫌いだ!