あなたのキスで世界は変わる
ひとりは怖い。
震える自分の両腕をぎゅっと抱いた。
「…………」
アハハ!と楽しそうな声が廊下から聞こえる。
チクッと胸を刺す痛み。
暗いこの教室。なんだか虚しくなる。
どうして私以外の人はいつも楽しそうなんだろ。
どうしてそんなに笑えるの?
どうして…
どうして?なにが違うんだろう。
私も、本当は笑いたいのに。
なんでこんなにも不幸を呼び寄せてしまうのかな。
「てかさー、小川さんってなんで男子から人気あんだろ?」
「知らない。でもあの女って確かさ…」
私の話…?
扉一枚挟んだすぐそこで私の話をしている女の子ふたりの声が聞こえる。
もうちょい静かに話せよ。下品な女。
「ーーー田中先輩にレイプされたんだよねー?」
ドクンッ…!
急に胸がわしづかみにされたように苦しくなる。
「なにそれ、知らないんだけど!」
「まじ?結構有名な話じゃない?」
息が苦しくなる。
今日はよくこのことを思い出すな…
うけるわ、まじで。