あなたのキスで世界は変わる


しばらく走って、ひと気の無い場所まで来ると立ち止まった。


全力で走ったから疲れた…


足が絡まりそうになりながらも
この人に置いて行かれないように

無我夢中で走った。


「なにしてんだよっ!」

「なにって…宿探しだけど?」


そんな興奮したように怒らなくったっていいじゃん。


「別に、あんたに関係ないでしょ?」

「あるよ!」

「ない」


握られている手にチカラが入っている。

温かい。


変な感じがして、やだ。

この"心配されてる"ってムズムズする感情を捨ててしまいたい。


真剣な彼の瞳を見返すことが出来ない。

< 44 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop