あなたのキスで世界は変わる
しばらく走って、ひと気の無い場所まで来ると立ち止まった。
全力で走ったから疲れた…
足が絡まりそうになりながらも
この人に置いて行かれないように
無我夢中で走った。
「なにしてんだよっ!」
「なにって…宿探しだけど?」
そんな興奮したように怒らなくったっていいじゃん。
「別に、あんたに関係ないでしょ?」
「あるよ!」
「ない」
握られている手にチカラが入っている。
温かい。
変な感じがして、やだ。
この"心配されてる"ってムズムズする感情を捨ててしまいたい。
真剣な彼の瞳を見返すことが出来ない。