あなたのキスで世界は変わる
お邪魔しまーす、そう家の中に入る。
へぇ、綺麗にしてるんだ。
「あれ、姉貴いねーのか…」
そう気まずそうに私をチラ見する彼が面白い。
ウブだなー。
そんなに気を使わなくていいし。
…言わないけど。
「とりあえず座れよ。飲みもんコーラとお茶どっちがい?」
「お茶」
「…りょっ、了解」
「また意外って思ったんでしょ?」
「あ、ばれた?」
わかりやすいなぁ。
とりあえずお言葉に甘えて座ると、
ふと目線の先にある家族写真が目に入った。
そこには幼い顔の東城佑夜とお姉さんらしき女の子、それから両親の4人が写ってる。
ボーっとそれを見ていると東城佑夜が戻って来た。
「お待たせ」
「あ、ありがと」
運んで来てくれたお茶を口に運ぶ。
「俺の両親は…死んだんだ」
突然の重い話に動く手が止まる。