あなたのキスで世界は変わる
彼が私の横で切なそうに顔をしかめる。
「どうして…?」
「そうゆうことは、ちゃんとケジメをつけてするもんなんだよ」
ケジメ?
なにそれ、そんなこと言うやつ初めて。
「そりゃ男だから欲はあるさ。でも好き同士でもないのにそうゆうことはできねーよ」
優しく私を傷つけないような拒絶。
初めて男に拒絶された。
みんな私が寄れば、喜んで飛び込んで来るのに。
「もう寝よ」
頭をポンポン撫でてくれたけど、その後に背中を向けて寝てしまった彼が寂しい。
ーーぎゅうっ…。
彼の背中に顔を押し当てて手を回して洋服を掴んで強く抱きついた。
「小川…⁉」
「お願い。抱かなくていいから…抱き締めて寝て」